
前回の当コラムにて、アンプとエフェクトの乗り、という話を書きました。また、キング・クリムゾン(以下KC)のロバート・フリップはそこを重視してハイワットのアンプヘッドを選んだのだろうという推測も書きましたが、前述通り、ロバート・フリップが使用したファズは、初期にはバーンズBUZZAROUND、中期?後期はギルドFOXEY LADYでした。
バーンズBUZZAROUNDに関しては、当コラムの別項(https://1484.bz/shibuya/britishpedal/blog/1029.html)にて触れていますのでそちらを参照いただきたいのですが、ここでちょっとギルドFOXEY LADYに関して補足してみます。アコギのメーカーの老舗として現在も親しまれる名ブランドであるギルドですが、70年代にはアコギのみならずエレキギター、それに加えてエフェクター製品も発売していました。
フリップが使用したファズ、ギルドFOXEY LADYはその70年代初期のものですが、これはその中身も外身も当時のエレクトロ・ハーモニクスBIG MUFFと同じものです。エレハモ社がギルド社のためにOEM供給していたものです。フリップが使用したFOXEY LADYは、BIG MUFFの中でも最も初期のモデル、通称「トライアングル」と呼ばれるものと同じものでした。(写真はエレハモ社のトライアングル期のBIG MUFF)
強烈な歪みを生み出すことで、今も昔も有名なBIG MUFFですが、この「BIG MUFFとハイワットの組み合わせ」はあらゆるミュージシャンにとって理想的とも言えるマッチングをもたらすようです。今回の主役ロバート・フリップもそうですが、同じくプログレッシヴ・ロックの雄ピンク・フロイドのギタリスト、デヴィッド・ギルモアもBIG MUFF&ハイワットの組み合わせを長らく愛し、また時代は違いますがダイナソーJRのJマスシスもBIG MUFF&ハイワットの組み合わせを愛しているギタリストです。
RF:アンプはブリリアント・チャンネルにプラグインしている。そして、ノーマル・チャンネルにもジャンプさせる。言い換えれば、ブリリアント・チャンネルの信号をノーマル・チャンネルでも鳴らすことになる。これでボトムの成分を追加することができる。ハイワットは、ブリリアント、ノーマルの両方のチャンネルでボリュームをコントロールでき、さらにマスター・ボリュームで全体の音量を調整できる。もしクリーンなサウンドを出すという場合は、チャンネルのボリュームを控え目にして、マスター・ボリュームを上げる。トーンをハッキリと変えたい、という場合は、2つのボリュームの中間にあるレシオ(トーンつまみ)で変化を付ける。歪んだ音が欲しい場合は、各チャンネルのボリュームは共に上げて、マスターボリュームを下げる。これで、小さな音量であっても十分に歪みを得られる。また、ギターのボリュームをフルにしていたとしても、歪み量を調整することができる。
??いつもトーンとスイッチはどういう位置に定めてるの?
特にファズを利用するギタリストであればこの経験をされた方は多いでしょう。ジミ・ヘンドリクスという天才ギタリストを筆頭に、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック等往年のギタリスト達の当時の映像を見ると、皆一様に「病的に」と思えるほどにギターのボリュームを頻繁にイジってる姿を確認できますが、これはすべて「ギターの出力インピーダンスを変えている」行為に他なりません(写真は1974年、TV出演時のジェフ・ベックの演奏シーンより。1曲の中で10度近くギターのボリュームをいじってるジェフ・ベックの姿を確認できます)。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。