
FUZZ(ファズ)。英単語の意味としては「毛羽立った」とか「ボンヤリと境界がハッキリしない」という意味の言葉です。しかし楽器関連の単語としては、その歴史上最も古くから存在する歪み系ギター・エフェクターとして知られています。
当時ブリティッシュ・インベイジョンと呼ばれる程にイギリス産のロック・サウンドが世界中を席巻していた時期、そしてイギリス産のサウンドが"最新"のサウンドだった時期にあたります。以降、世界中のギタリストがこのファズ・サウンドに夢中になりました。
時を経て21世紀。TONE BENDERの生みの親、ゲイリー・ハースト本人の監修を得て、そのTONE BENDERが復刻されました。1960年代当時そのままのルックスと、当時そのままの回路を再現したこの復刻品は、当初イギリスのJMIブランドから発売されましたが、今回JMIブランドのブランド再編に伴い、エフェクター製品に関してはBRITISH PEDAL COMPANYという新ブランドで発売されることになりました。
例を挙げましょう。エアロスミスのジョー・ペリー(写真:右)は「今まで大好きだったけど、どうやっても自分では出すことの出来なかった音」と語るファズ・サウンドがありました。それは彼が長らく愛したジェフ・ベックのギター・サウンドでした。しかしジョー・ペリーは近年復刻版のTONE BENDER MK1を入手し、ついにそのサウンドをGETできた、と発言しています。
は、無類の(エレハモ製)BIG MUFFのファンとして知られるギタリストですが、今はもうレコーディングでは「ほとんどBIG MUFFを使わなくなった」と言っています。彼は友人でもあるマイ・ブラッディー・ヴァレンタインのケヴィン・シールズから進められて、復刻版のTONE BENDER MK3を入手しましたのを契機とし、以来各種TONE BENDERを試した上で、現在はTONE BENDER MK1をペダルボードに組み込んでいます。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。