
 いやー、なんと来日しちゃいますね、キング・クリムゾン。公演は12月中旬なのですが、追加公演を除けばすでに10月の時点でほとんどのチケットがソールドアウトしているという熱狂ぶりです。スゴイですね。で、今回はそのキング・クリムゾン(以下KC)のギタリスト、ロバート・フリップとハイワット・アンプのお話を書こうと思いますが。
 一応知らない方のために軽く説明させて下さい。KCは今から46年前、1969年に結成されたイギリスのプログレッシヴ・ロックのバンドです。ええ、インターネット社会となった現在ですが、圧倒的なインパクトを誇るこのアルバム・ジャケットをご覧になった方、知ってるという方はお若い方でも多いだろうと思います。そのアルバムを出したバンドのことです。
 余談が過ぎました。本題に入ります。KCがデビューした直後の頃、ロバート・フリップはほんの少しだけマーシャルのアンプを用いた時期があります(画像等でそれを確認する方法はないのですが、フリップ本人が「マーシャルを使用した」と発言してるので間違いないと思われます)。ですがその後、ロバート・フリップはアンプをハイワットに変更します。使用したのは100WのDR103で、このアンプは無改造状態のファクトリー・スペックそのままでした。同時にスピーカー・キャビネットもハイワットのものを使用しています。
 ですが1974年、あるインタビューにてフリップが自らの使用機材、そして機材評を語ったことがあります。そちらのインタビューは筆者の個人ブログ「BUZZ THE FUZZ」(リンク:http://thetonebender.blogspot.com)にて全文を公開していますので、もし興味ある方は参照して下さい。やたら長い文献なので読むのも疲れるだろうとは思うのですが(笑)、今回の本稿では、そのインタビューの中からフリップの独特のギター・サウンド、とくにハイワット・アンプに関する部分を抽出し、再検証してみたいと思います。
 そして、KCのごく初期の時期に少しだけマーシャルを使用していたのを除けば、彼の使用アンプは常にハイワットでした。写真等でフリップがDR103ヘッドを2台、キャビを4台使っている姿をいくつも見つけることができますが、そのうち1つのヘッドはギター用ではなく、フリップが時たま演奏するメロトロン用のアンプだったと思われます。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。