
さて、ダラスRANGEMASTERとはどんな音がするエフェクターなのか。一番基本的なお話ではありますが、今回はそこに着目してみたいと思います。まずは、現在復刻版を発売しているBPCによる公式デモ動画です。例によってギターはハムバッカー(ギブソンES-339)とシングルコイル(フェンダーCS製ストラト)、そしてアンプはハイワットの50Wスタック、マーシャルのBLUESBREAKERコンボ、それから古いVOX AC30にてデモンストレーションしています。
こちらの動画は1970年、ロリー・ギャラガー率いるトリオ・バンド、テイストがドイツのTV番組「BEAT CLUB」に出演した際のライヴ動画なのですが、この時ギャラガーは愛用のストラト、VOX AC30、そしてダラスRANGEMASTERを用いて演奏しています。
何が言いたいかと申しますと、このロリー・ギャラガー死ぬ程カッコイイよね、ということに加え(笑)、ダラスRANGEMASTERはこういう音がするエフェクターです、といういいサンプルだということです。ストラトのPU全部の箇所で演奏され、さらにギターのボリュームを絞ることで音の表情を更に変化させる、その全てが収められているからです。ちなみにこの動画で確認することは出来ませんが、ロリー・ギャラガーはVOX AC30のノーマル・インプットを使用していました(ブリリアント・チャンネルではない、という意味)。
また、ちょっと意外なRANGEMASTER使いのギタリスト(でも、ああ成る程、とも思えますが)に、ローリング・ストーンズのミック・テイラーがいます。彼がどのくらいの頻度でRANGEMASTERを使ったかは定かではありませんが、ステージ上でRANGEMASTERにプラグインしている写真が残されています。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。