
ハイワットというアンプ・ブランドの名声に欠かせないギタリストが、ザ・フーのピート・タウンゼンドでしょう。ハイワット社の広告にも頻繁に登場した彼ですが、モンスター・バンドとして世界中を席巻するようになった60年代後半から70年代にかけてのザ・フーのステージに欠かせないアンプがハイワットであったことは、すでにご承知の方も多いと思われます。
当時のザ・フーのステージではピートはアンプヘッドを3台持ち込むことが多かったのですが(2台を使用し、1台はスペア、ということが多かった模様)、ピートが使用したL100アンプは4インプット(あらかじめリンクされているインプットで、各々にゲイン・ボリュームつまみアリ)、トレブル&ベースの2EQ、そしてマスターボリュームを搭載したものです。サウンド・シティーのアンプは同ブランド独特の金色のコントロールパネルですが、既に「HIWATT」のブランドロゴプレートが付いていました。
上記したように些細な変更があったとはいえ、ここまで基本的に回路はすべて同じものです。最後に記載した「DR103W」に至っては、73年にピートが使い時初めて以来、2002年まで使用され続けたアンプヘッドです。ピート・タウンゼンドがいかにこのアンプヘッドに夢中になったか、を示すと同時に、ハイワットのアンプが本当にタフで、過酷な使用条件にも耐えうるスペック(=ミリタリー・スペック最大の強み)を持っていたことの証とも言えるでしょう。
ピートはヘッド同様に、キャビネットもハイワット製品を使用しました。まさに「ハイワットの壁」と呼べるほどに、70年代?80年代のザ・フーのステージ上にはハイワットのキャビがこれでもかと思える程に並べてありましたが、ピート・タウンゼンドが実際に音出ししていたキャビは1ケか2ケだけだった、とのこと(他のキャビはダミーだったという意味)。ピートが使用したキャビにはもちろんフェーン社製のスピーカーが内蔵されていました。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。