
今から50年前、1965年の初夏のお話です。
そのジョン・バリー・セヴンは主に華麗なストリングス・アレンジをロックンロールのビートに組み合わせたインスト主体のバンドでした。このグループの代表曲はなんと言っても、今も様々な機会に耳にすることが出来る「007のテーマ」で間違いないでしょう。その「007のテーマ」でもひと際耳になじみ深いギターのフレーズ。これはこのグループのギタリスト、ヴィック・フリックによる演奏でした。

こうしてゲイリー・ハーストは、まずヴィック・フリックのためにファズを制作します。この時回路は前述のMAESTRO製FUZZ TONEを参考にしました。回路図を比較すれば、その類似点は明らかです。しかし各種抵抗値の再検討、そしてトランジスタ他パーツもリファインすることで、まったく新しいファズが生まれる事になりました。
この試作品は脚で踏むスイッチとは別に、さらにON/OFF用のトグル・スイッチも設けられていたこと、インプットやアウトプットのジャックが不思議な(笑)場所に配置されていたことが確認できます。また、細かい点ですが、2ケのノブには金属のノブが付けられていますが、このパーツはVOX製のアンプに使用されていたノブと同じものです。つまり、その工房にあったものを流用した、ということがうかがえます。TATS
(BUZZ THE FUZZ)
ミック・ロンソンに惚れてから、延々とTONE BENDERの魔界を彷徨う日々を送る、東京在住のギター馬鹿。ファズ・ブログ「BUZZ THE FUZZ」主筆。スペインMANLAY SOUNDとの共同開発で各種TONE BENDERのクローン・ペダルを企画・発売すると同時に、英JMI~BRITISH PEDAL COMPANYでのTONE BENDER復刻品の企画・発売にも協力。季刊誌「THE EFFECTOR BOOK」(シンコーミュージック刊)ではデザインを担当。