2013年製ギブソン・カスタム最新スペックを大解剖!!
1993年に、それまでのUSAメイン・プラント内から独立、移転し、企画、開発、仕入れ、製造、出荷という一連のプロセスを、カスタム、アート&ヒストリックという単独部門(以後カスタム部門)として独自に行うようになったのが、所謂ギブソン・カスタム・ショップの誕生となります。この部門のフラグシップとなった製品、1959 Les Paul Reissueに代表されるヒストリック・コレクションは、1950年代〜60年代のギブソン・エレクトリックのあるべき姿を、トーン、ルックス、プレイアビリティのいずれの面でも、頑に追求した完成度の高さで、リリースの時点からそれ以前のリイシューを凌駕したものでした。
このシリーズは、今日まで数々のリファインが繰り返され、今ではプロ、アマチュア問わず、ヴィンテージに精通する世界中のギター・プレイヤー、コレクターから支持を受けています。そしてカスタム部門が20周年を迎える今年2013年、再びヒストリック・コレクションは、数々のマニアックなリファインが行われ、ネクスト・レヴェルへと進化を遂げました。
Topics
2013.09.30 「Artist Signature」商品検索リンク追加しました。
Kluson Deluxe machine heads Green Key
従来使用していたものよりも、少し透明がかったペグ・ボタンになり、操作性、ルックス、素材感のいずれも、当時のスタンダードであったクルーソン・マシンヘッド・チューニング・キーを彷彿とさせる仕上がりのパーツであり、2013年に生産されるヒストリック・コレクション・リイシューに採用されています。(※一部モデルを除く)

Custom Bucker Pickups

カスタム部門では、ヴィンテージ・ギブソン・ハムバッカ―の素材、仕様、生産工程はもちろん、その経年変化の起き方についてまで、多角的に研究を継続しています。
これまで数々の歴史に残る名演を生んだアーティストや、コレクターが所有する貴重なヴィンテージ・ギターを調査し続けてきた、カスタム部門の財産である豊富なデーターに基づき、ヴィンテージ・トーンの再現というコンセプトに特化して開発された新型ピックアップが、カスタムバッカ―・ピックアップです。コイルによるターン数のアンマッチというバーストバッカ―の基本構造は受け継ぎつつ、アルニコ3マグネットと、そのサイズ、ワイアーのマテリアルに至るまでにこだわり抜いたカスタムバッカーは、高域の伸び、豊かな倍音、そしてプレイヤーの表現力をダイレクトにトーンに変換するコントロール感といった、ヴィンテージ・レス・ポールならではの特徴を追求した最新のピックアップです。
カスタムバッカー・ピックアップは、プリ1962ヒストリック・リイシューの各機種にマウントされます。
Historic Truss Rod Assembly no tubing
これまで使用されてきたトラスロッドを包むビニールチューブを廃し、ハーフ・ムーン・ワッシャーとアンカー部を含めて50年代の素材、形状を再現した剥き出しのスティール・ロッドに変更されました。
目に見える部分ではありませんが、トーンの重要構成要素であるネック中心部のモディファイは、鳴りに影響を及ぼし、結果トーンへの影響も大きいと言えます。

 

Cellulose Inlay

1950年代の素材、形状、パターンを再現したオリジナル・スタイルの
セルロース・インレイを採用し、視覚的にヴィンテージの風合いを増しています。
Hot Hide Glue Neck Fit
今年からネック・フィットに採用されるHide Glue(にかわ接着)とは自然素材による接着方法であり、その接着力は強力でありながら、湯煎や温度管理の必要があるなど、取扱いには手間がかかり、現代の接着剤と比較すると生産面では効率的ではありません。
ただし、木工の伝統的手法であり、強度と硬化後の取り外しが可能というアドバンテージにより、古くから高級家具、工芸品、弦楽器などに用いられてきました。
ネックセット部分とは、弦振動がダイレクトに伝わる部分であり、レス・ポール・トーン構成要素の一部であると言えます。

Long Stud & Insert

テイルピースのスタッド、インサートとも、スティール製のロング・タイプを採用しています。多くのヴィンテージを検証した結果、長さが異なるインサートが存在していたことがわかっていますが、スタッド、インサートとも、サイズ、形状がリファインされました。
ブリッジ、テイルピース部は、特にトーンに大きく影響を及ぼすパーツです。例としては、同形状、同じマテリアルのボディでも、裏通しタイプ、テイルピースで弦を止めるタイプ、またはビグスビーへの換装などによって、ギター本体のトーンが変化することを考えると理解しやすいかと思います。

Aniline Dye
様々な天然素材による染料を用いて木材を着色するという手法は、古くから行われてきましたが、これらは均一に着色するのが困難で、また時間の経過により褪色しやすいという面がありました。アニリンを原料とする合成染料、アニリン染料は、その鮮やかな色彩と、木材の持ち味を際立たせるという特性において優れており、ヴィンテージ・サンバースト・レス・ポールのバックや、SG、レスポール・ジュニア、スペシャルなどに採用されていました。アニリン・ダイ・パウダーを加えて調合した、独自のレッド・フィラーをマホガニーの導管にすりこみチェリーに着色し、その上にクリア・ラッカーという仕上げは、導管に残るチェリーと、ラッカー内のチェリーによる視覚的効果により、たいへん奥深く、立体的で、鮮やかなチェリーに仕上がります。
経年変化でフェイドしやすいという特徴がありますので、あのしっとりとしたオールド色に変化していきます。マホガニーの素材の美しさを引き出し、時間とともに複雑に色味を変える様子は、まさにヴィンテージならではの味わいを再現する手法であり、今年からのヒストリック・リイシューのビジュアルを、一層引きたたせます

New color fingerboard & body binding

バンディングのカラーが当時の色味に近い、薄めのカラーに変更されたことにより、一見してオールド感を増したビジュアルに仕上がっています。
ヴィンテージのあくなき追求は、このようなパーツにも及んでいます。

Gold Top
ゴールドトップ好きには待望となるトップ&バックのカラーリング変更とニューバインディングカラーによりオリジナルに肉薄するカラーリングを遂に実現。 これまで収集された残存する資料からの研究により明らかになった最新のデーターや、ヴィンテージ・コレクター達からのアドヴァイスに基づき、ゴールド・トップのカラーがリファインされました(対象機種R4, R6, R7)。ほのかにグリーンを感じさせる、リッチで味わいあるゴールドの光沢がリアルに再現されています。
またバック・カラーも、新たな手法により、マホガニーの導管や木目など、素材の持ち味が引き立つヴィンテージ・ブラウンにリファインされています。

Movies

ギブソン・カスタムのプロショップ・マネージャー、アーネスト・キング氏にご協力いただき、2013年モデル3機種を使用しデモ演奏を披露。


■ Profile

Ernest King (アーネスト・キング)

≪現ギブソン・カスタム所属 / プロショップ・マネージャー≫
ギター暦48年/所有ギター:59LPを2本、54LP、57LP、LPカスタム

ギブソン・カスタム内におけるアーチトップ・モデルのファイナルアッセンブリー、カスタム・クリムゾン・シリーズの製品開発、国内外の多くのプロギタリストのリペアーを行う カスタム・ナッシュビル工場屈指の熟練スタッフが在籍するプロショップのマネージャー。
また、ギブソンUSA工場にも数年の在籍経験ももち、カスタム・ナッシュビル製品のネックラインスーパーバイザーでもあり、ギブソン・カスタム在籍19年となる重要人物の一人。
今でもブルースバンドとクラシック・ロックバンドでのバンド活動を行っており、1971年にギブソンギターを使用して以来のギブソン・ユーザーである。
1956 Les Paul Reissue @ 1959 Les Paul Standard Reissue CC#7 John Shanks 1960 Les Paul Aged

Histric Collection New Spec Updates Models

Les Paul Goldtop

1954 Gold Top / 1956 Gold Top V.O.S. / 1957 Gold Top

ゴールドトップ好きには待望となるトップ&バックのカラーリング 変更とニューバインディングカラーによりオリジナルに肉薄する カラーリングを遂に実現。
また、カスタムバッカー・ピックアップ (56,57のみ)、ロングスタッド&アンカーと、1959LPリイシューの みに採用されてきたスペックを採用することにより、2012年モデ ルから比べ1959LPリイシュー以上のグレードアップとなります。
SPEC UPDATES
・Kluson Deluxe machine heads Green Key
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups(※1957 Les Paul only)
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding
・Gold Top Finish

1958 Les Paul Standard Reissue

V.O.S. or Gloss : Bourbon Burst,Faded Tobacco,Iced Tea,
Lemon Burst,Sunrise Tea Burst,Washed Cherry

オリジナル・レスポールの完成形と言えるそのスペックは前年の 1957年にセス・ラバーによって発明されたハムバッキング・ピック アップをネック&ブリッジポジションに搭載。1956年にレスポール・ モデルにも採用されたABR-1&軽量アルミニウムのテイルピース、 そしてレスポール・モデルを不動の地位へと押し上げた美しいサンバースト・フィニッシュ・カラーが特徴。
SPEC UPDATES
・Aniline Dye
・Kluson Deluxe machine heads Green Key
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding

1959 Les Paul Standard Reissue

V.O.S. or Gloss : Bourbon Burst,Faded Tobacco,Iced Tea,
Lemon Burst,Sunrise Tea Burst,Washed Cherry

ヒストリック・コレクションの代表機種にしてキング・オブ・エレクトリック ギター、レスポールの最高峰モデルとなる1959LPリイシュー。 美しいフィギュアードトップにオリジナルの経年変化を再現した多くの カラーバリエーション、デジタルスキャンによるネックシェイプ、トップア ーチとオリジナル採寸による細部の再現と、最新スペックの導入により 史上最高の完成度を誇ります。
SPEC UPDATES
・Aniline Dye
・Kluson Deluxe machine heads Green Key
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding

1960 Les Paul Standard Reissue

V.O.S. or Gloss : Bourbon Burst,Faded Tobacco,Iced Tea,
Lemon Burst,Sunrise Tea Burst,Washed Cherry

サンバースト・レスポールの最終年を再現した59LPと並ぶヒストリック・ コレクションの最高峰モデル。高いプレイヤビリティを誇る60sスリムネ ック、ダブルリング・チューナー、メタルインサート・ノブと59LPリイシュー とはひと味違った仕上がりを見せます。2013スペックにより、タイトかつ ブライトな音色の特徴を残しつつ、音の深みと乾いたトーンがプラスされ、 このモデルのキャラクターをさらに強めます。
SPEC UPDATES
・Aniline Dye
・Kluson Deluxe machine heads Green Key
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding

SG

Standard Reissue / SG Special Reissue

レスポール・リイシューのサイドバックで使用される1950年代当時と同様の アニリン染めによるフィニッシュを採用し、オリジナル同様の美しいチェリー レッドと、カスタムバッカー・ピックアップの採用により、素晴らしいトーンへと 改善された最注目モデル。
レスポール・モデルと同等のクオリティへと進化し、今までのSGリイシューに 満足頂けなかった方に是非おすすめです。
SPEC UPDATES
・Aniline Dye (※Faded Cherry Only)
・Kluson Deluxe machine heads Green Key(※Standard only)
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups(※Standard only)
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding

ES-335 Reissue

1959 ES-335 Dot Reissue / 1963 ES-335 Block Reissue

フェイデッドチェリー・カラーにのみ採用されたネックのアニリンダイ・フィニッシュ、 その他ヒストリック・コレクション同様のクルーソン・デラックス・チューナー、ロング スタッド&アンカーが使用されソリッドボディ・モデル以上に久々のスペック変更と なる1959&1963ES-335。さらに1959ES-335にはカスタムバッカー、1963ES-335 にはバーストバッカー1&2を搭載し、太くメローなトーンの59ES-335、ブライトかつ枯 れた味わいの63ES-335と各モデルのキャラクターが明確になりました。
SPEC UPDATES
・Aniline Dye (※Faded Cherry / Neck Only)
・Kluson Deluxe machine heads Green Key
・Hot Hide Glue Neck Fit
・Custom Bucker Pickups(※1959ES-335 only)
・Historic Truss Rod Assembly no tubing
・New color fingerboard & body binding

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